【手術まで22日】なぜ全摘術を選択したのか?

今日は、なぜ私は乳房全摘術を選択したのか?という理由について書きます。
  ※この記事は完全に個人的な内容なので、他の方の選択や考え方について批判するつもりは
   ありません。「こんな理由で全摘術を選択する人間もいる」という一つの考え方だと思って
   読んでください。


これまで何人かカミングアウトしましたが、数人から「初期なら全部取らなくてもいいんじゃないの?」と聞かれました。主治医の先生からも「初期ですからね・・術式はどうしますか?」と聞かれました。(現時点での予想ステージは非浸潤性乳管がん(Ductal carcinoma in situ, DCIS)です)
説明によると術式は大きく分けて2つ。①乳房全摘術➁部分乳房切除術それにオプションとして「乳房再建術」を加えるかどうか?です。私の術式選択の軸はただ一つ。「ゴルフに早く戻れる術式」でした。

なんとなく、全摘だと右腕が上がりにくくなったり、動きが悪くなるんじゃないか?というイメージがあったのですが、それは昔の胸の下の筋肉(大胸筋や小胸筋)を切除したり、脇の下のリンパ節も郭清(切除)していた(ハルステッド法)頃の名残で(自分が医学生だった数十年前から知識がアップデートされてなかった)、今は術後の抗がん剤治療やホルモン治療が洗練されてきたこともあり、どんどん非侵襲的(身体への影響を最小限に)な方向になってるみたいで、全摘といっても胸~肩回りの筋肉は取らないときいて一安心。上肢(腕)の術後の機能的には全摘と部分切除はあまり差はないでしょう、ということでした。

ただし、私の場合、がんが肉眼的に確認できないことから「部分切除だと全部がん細胞を取りきれたかどうか?」がわからないため、術後に放射線をかけて残存している(かもしれない)がん細胞を叩く(やっつける)必要があり、それによって治療期間が1か月延びてしまう上に、放射線照射で上肢の動きに多少影響があってリハビリが必要になる可能性は否定できませんとのこと。

そして乳房再建術については、身体から一部の皮膚と脂肪組織を血管ごと移植する(自家組織で再建する場合)、もしくは手術時にエキスパンダーという皮膚を伸ばすための器具を入れておき、少しずつ皮膚を伸ばしてからシリコンなどのインプラントを挿入する(人工物で再建する場合)・・・と、とにかく再建術は聞いただけで結構大変な手術のようです。(どうしても医者目線で手術の大変さを判断してしまいます・・・術後の管理とか、考えただけで大変そう・・・?)

私の術式選択の軸はただ一つ。「ゴルフに早く戻れる術式」。
主治医の先生に「部分切除や乳房再建のメリットは”美容”以外にありますか?」と質問すると「うーん、ありませんね」でした。じゃあ、答えはシンプル。全摘(再建なし)一択です。
「先生、美容的な点はこだりません。私は真剣にゴルフをしているので、とにかく上肢の運動機能をなるべく早く戻すことを優先させてください」とほぼ迷うことなく返答しました・・というわけです。

”女性の象徴”である乳房を失うことを辛く思い、悲しみ、再建することが可能なら再建したい、部分切除で済むのであれば部分切除にしてほしい、と願うのは当然です。
自分の一部が失われる、しかも外から見える部分なのですから、できる限りのことをしたいと思い、その方法を主治医と相談していく方も多いと思います。そういう方は、「がんの治療に差し支えない範囲で整容を残したい」という基準だということです。
それに対して私は自分の基準が「ゴルフを早く再開するために上肢機能を残したい」でした。
人はそれぞれいろんな価値観があって、何を基準にして何を選ぶのか、がその人の個性です。

すごーくドライに医学的に言ってしまえば「がん細胞が混じってる脂肪の塊」という見方もできるので、全摘という選択に現時点では迷いはありません。・・・とはいえ、お風呂に入るときなどに自分の胸を見ると、複雑な心境にならないと言ったら嘘になりますし、術後に右乳房が無くなった胸をみたら(自分が思っていたよりも)ショックを受けるかもしれません。でもその心の動きも含めて「自分」だと思うので、これからの自分の気持ちを見つめていこうと思っています。
それは第二章でお伝えしていく予定です。さあ、どうなりますことやら。

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